通信の進化を見ると?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、日本人の昔の暮らしが偲ばれる出来事が、数多く登場します。

例えば、日本列島の通信手段はどの様になっていたのか? 誰しも不思議に思う事でしょう。

歴史的には、古い大和時代から日本列島は天皇を中心とした国であり、一つに纏まっていたのです。

全国への指令は、どのように伝えられていたのでしょう? 時代毎に通信の方法は変化しています。

それにしても、北から南まで何千kmもある国中へ、伝令が出されていたのは驚きです。

或る時代の通信手段が、問題として出された例をご紹介しましょう。

第4回の1次予選、後楽園球場での〇✖問題でした。

問・「三度笠」とは、本来月に三度東海道を往復した人達がかぶった笠の事である。〇か✖か?

答・〇

解説 江戸~京都間を、月に三度往復する飛脚がかぶっていたので、この名がつきました。

「三度笠とは」の画像検索結果

時代劇では、流れ者の博徒がかぶって全国を旅していたので、博徒の笠と誤解した人もいたでしょう。

語源は、現代の郵便屋さんに当たる「飛脚」の制服だったのです。

それにしても、飛脚は月に三度も江戸~京都を往復したのは、片道5日に当たり恐るべき体力と言えます。

全国への通信手段で有名なのは、源義経を全国へ指名手配した時の「安宅の関」のお芝居ですね。

歌舞伎の「勧進帳」で有名です。

また、江戸時代の「忠臣蔵」で浅野内匠頭(あさの・たくみのかみ)の切腹を翌々日には、兵庫県の国元へ伝えられていたとの速さ。

「忠臣蔵、切腹」の画像検索結果

これは、早馬を乗り継いだ結果の速さと伝えられています。

時代によって通信手段は変化しますが、それぞれの苦労を垣間見(かいまみる)事が出来ます。

現代では、地球の裏側の出来事を映像で同時に知る事が出来ます。この100年の科学的進歩は、昔の人には理解不能でしょう。

本日は、日本の通信手段から始まって、目を見張る科学の進歩へと話が進みました。

結論は、クイズ問題の幅は広いという事で「お粗末の裏話」でした。

 

 

 

質屋の看板が減りました

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、日本の伝統的知識を試す設問が数多く登場します。

日常生活、職業、遊び、等「知って為になる」或は「面白い情報」をクイズ問題に仕上げて、出題していました。

その中でも、江戸時代の庶民の生活や暮らしぶりが、目に浮かぶような問題が第12回のラスベガスで出されていました。

問・江戸時代の看板で、ノコギリの形をしているのは大工道具屋。では、将棋の駒の形をしているのは何屋?

答・質屋

解説 いかにも江戸っ子らしいシャレの利いた看板ですね。将棋は庶民の遊びで、多くの人々の娯楽でした。

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将棋のルールで、「歩で敵陣に入れば金になる」は誰でも知っています。金は当然お金の事なので、シャレの利いた看板と言えるでしょう。

昭和の時代までは、何処の街にも「質屋」の看板が見られました。現代では随分減っていますが、理由は以下の通りでしょうね。

ローンの会社が増えた事。質草が無くてもカードで借金が出来るシステムが進歩し、簡単にお金を借りられる時代になりました。

「便利な時代」と喜んだ人は多いでしょう。

でも、そのお陰で借金地獄に落ち入り「カード破産」などという新しい言葉まで生まれてしまったのです。

時代が変化すると、人々の生活が変わって来る!

本日はクイズ問題で見た、世の中の変化のご紹介でした。くれぐれも「カード破産」などにならないよう、ご用心ください。

この様な心配を「年寄りの冷や水」と言います。齢を取ったら余計な事は言わない事ですね。自戒を込めて、反省でーす。

男女の得意な問題って?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、言葉の語源を問う問題が数多くありました。

日本古来の語源は、日本の歴史と人々の暮らしが偲べる日本人の常識が基本になっている事が多いですね。

また、外来語の語源となると、発生した国の事情が分かり、知識欲を駆り立ててくれます。

そんな外来語の語源に関する問題が、第13回のクイーンズ・タウンで出されていました。

この問題は、我々は若しかすると女性の方が得意な問題かもしれません、と考えていました。

問・フランス語で「稲妻」という意味を持つお菓子は?

答・エクレア

解説 フランス語の稲妻を表す「エクレール」から来た言葉だそうです。

何故、稲妻なのか? これには諸説あり、焼いて表面にできた割れ目が、稲妻に似ているとの説。

「エクレア」の画像検索結果

中のクリームが飛び出さない内に、素早く稲妻のように食べてしまう、など様々です。

女性は甘いものが好きで、特にケーキには目がないのが一般的です。だから女性に強い問題と思っていました。

一方、男性には薀蓄好きが多いので、こんな語源を説明しながらエクレアをパクパク、などという人もいたかもしれません。

それでなくても、スィーツ好きは女性と限りません。甘いもの大好きな男性は年齢に関係なく増えています。

そう考えると、問題が男女のどちらに有利と判断するのは、難しいかもしれません。クイズファンは男女を問わず、知識欲が旺盛なのですね。

クイズ問題は、男女に関係なく知っている人が有利! 我々は特定の人が勝つような配慮は一切していません。

本日の裏話は、問題の配列は常に公平だったとのお話でした。

 

 

故郷の郷愁、仏像の真実とは?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、常識と思われていた知識が実は誤りであった、との意外性を突いた問題が時々出て来ました。

常識の意外性、これは知識欲の旺盛な方が最も興味を持つであろう、情報でしょうね。

第4回の後楽園の第1次予選で、その代表的な問題が出されていました。

問・観音様は女である。〇か✖か?

答・✖

解説 観音様は優しい顔から、女性と思い込んでる方が多いでしょうね。対する大仏様はお釈迦様なので男性である、これは日本人の常識でした。

この問題の正解が発表された時、敗れた挑戦者が「それじゃオカマかよ」とのヤジを飛ばし、会場は爆笑に包まれたのを記憶しています。

「大船観音寺」の画像検索結果

実は、観音様は男女の性別を超越した存在なので、性別は無いが仏教界の教えになっているのだそうです。

日本人の多くは仏教徒なので、昔から大仏像や観音像が全国各地に多数建造されています。

誰しも、故郷の景色を思い出す時一番に浮かび上がるのが、これら仏像の姿ではないでしょうか?

その位、人々の生活に密着した仏像の性別を正しく理解するのは、日本人の常識でしょう。

そこで我々は、この問題を採用したのでした。

対する、大仏さまが男性なのは当然の常識です。その中でも、当時仏像の大きさで言えば、奈良の大仏様が代表的な存在でした。

因みに、現在では茨城県牛久の大仏様が日本一の高さになっています。

牛久大仏(牛久阿弥陀大佛)

像の高さは100m、台座20mで、地上の高さでは世界最大のブロンズ像です。従ってギネスには「世界一大きなブロンズ仏像」として登録されています。

今では、世界一の仏像を見学したいと、外人観光客が多数訪れていて、地元でも驚いているようです。

処で、観音様のクイズ問題に戻りますが、観音様が女であるとの誤りは、当時、我々も全く知らなかったのです。

実は、クイズ問題の選考会議では、スタッフ全員が観音様は女性であると勘違いしていたのです。

恥ずかしい話ですがだから白状する」本日の裏話でした。

 

日本神話の魅力

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、日本人の常識問題が中心に創られていました。

クイズは知識を競うゲームですから、日本人の常識は当然であり、その他に世界の常識が加わります。

日本人の常識の中で、歴史という分野があります。これも神話の時代から、古代、中世、近代と幅がありすべてを網羅するのは大変です。

とは言えクイズ・マニアは幅広い知識を吸収し、王者を目指して参加してくるので、他の番組に比べ、レベルの高い番組と言われていました。

そんな中で、日本史に関する古い時代の問題を探したところ、第6回のバーストウで次の問題がありました。

問・熊襲を征伐した神話の中の英雄は?

答・大和武尊(ヤマトタケルノミコト)

解説 日本神話の中には、「熊襲を退治した大和武尊」「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した須佐之男命(スサノオノミコト)」の2つの話があります。

この2つの物語は混同し易く、大和武尊と須佐之男命を勘違いして、誤答する可能性がありました。

そこで、この問題は採用されたのでした。

「大和武尊」の画像検索結果

古事記によると、熊襲は九州南部に住む民族で、当時の大和朝廷に抵抗していた人々でした。

そこで大和武尊がこれを成敗し、伝説上の英雄になったというお話です。

一方の須佐之男命は、高天原を追放され出雲の国へ降り立ったところ、ここには八岐大蛇と呼ばれる怪物が居り、毎年若い娘を食ってしまうとの事。

「八岐大蛇 神話」の画像検索結果

これを聞いた須佐之男命は、この怪物を退治し、助けた娘と結婚したとの神話です。

共に、「古事記」にも「日本書紀」にも記されている神話ですが、近年ではアニメや劇画で楽しみながら、知識を吸収しているようですね。

昔は、名前の読み方が難しい! 天皇や皇子との関係がややこしい! などの理由で日本史は苦手という人が多かったようです。

時代が変わって、現代では教科書でも、イラストが多く、解りやすい表現で興味を持つ児童や生徒が増えたとの話もあります。

勉強は、クイズのように楽しみながら学ぶ。と、なると難しかった日本史も楽しく学べそうです。

クイズ問題から見て本日の結論! 深く学べば「日本史は面白い」ですよ。