クイズは2番目に注目です

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、何事に限らず一番を問う問題がありました。

世界で一番は? 日本で一番は? との問題で、例えば高い建物、長い川、人口の多い都市等クイズ問題の定番と言えますね。

この種の問題は、一番を記憶するついでに、二番目も記憶しておいた方が、ウルトラ・クイズの場合は良いようです。

何故なら、我々のスタッフは素直では無いので、一番より二番目を問う方が面白いと考える人が多かったのです。

日本で二番目に高い山は? 二番目に広い県は? との問題には記憶に在る方も多い事でしょう。

そんな、二番目を問う代表的な問題が、第5回のアカプルコで出されていました。

問・エベレストに次いで世界で二番目に高い山、ゴット・ウオン・オースチンは通称何と呼ばれている?

答・K2(ケーツー)

解説 エベレストー8,848m。K2ー8,611mで、K2はエベレストより237m低いのでした。

日本人としてエベレストへの登頂は、1,970年に松浦輝夫さん、植村直己さんのチームが初登頂しています。

その5年後には、田部井淳子さんが日本女性として初の記録を残しています。

一方、K2はエベレストより低い山ながら、世界一登頂が難しい山と恐れられ、日本人の登頂記録は2,006年が初です。

東海大学の登山隊、小松由佳・青木達哉隊員が初登頂に成功。小松由佳さんは女性としては世界で8人目の快挙でした。

また、青木達哉隊員は21歳10か月で、世界で最年少との記録を残しました。

大成功で、世界中の登山家が喜んだ出来事ですが、何と2人は下山の初日に行方不明となってしまったのです。

心配する中、数日後には奇跡の生還を成し遂げ、その後も数多くの登山歴を残し活躍を続けています。

登山は、常に危険と隣り合わせで日本一の登山家と言われた植村直己さんは、43歳の誕生日にマッキンリーの単独登頂に成功。

1970年の快挙でしたが、翌日の連絡を最後に行方不明に。山男は常に死と隣り合わせと言いますが、本当に残念な遭難でした。

本日の裏話は、一番の記録を覚えるのは結構。ついでに二番も記憶しておくと面白い情報がありますよ。

と言う事で、日本の登山の歴史の一端を覗いてみました。

自慢の出来る日本の首都

アメリカ横断ウルトラクイズの問題を振り返ると、日本の様々な歴史的出来事が解ります。

クイズ問題には、歴史との分類があり、詳しくは日本史、世界史に分かれていました。

挑戦者は、自分の得意な分野を持っている人が多く、誰がどの分野が得意なのか、互いに探りながらの戦いでした。

勿論、我々スタッフも挑戦者の正解率から、個々の得意な分野を分析し、勝ち進む人を推理して進行の材料にしていました。

そんな中で、日本の歴史的な出来事を問う問題が、第16回のサンフランシスコで出されていました。

問・江戸時代にあった「人別帳」とは、今では何にあたるもの?

答・戸籍

解説 江戸時代に作られた「人別帳」は、当初キリシタン吟味の目的で作られたものでした。

その後、享保以後には人口調査の目的で、6年毎に作成され江戸の政治に反映させていたのです。

江戸八百八町、人口100万都市と呼ばれ、当時は世界有数の大都市だった事が解ります。

しかも、日本は鎖国政策だったので、世界の列強諸国は日本との貿易を望み、唯一開かれた長崎港を目指しました。

江戸幕府が崩壊し、明治維新に突入したのも、長崎に西洋から多数の武器が輸入されたためと言われます。

維新の英雄と言われた坂本龍馬も、真の姿は貿易会社と政治組織を兼ねた商人で、武器輸入で大儲けをしたと伝えられています。

この時代の出来事は、司馬遼太郎氏の小説で詳しく描かれ、大河ドラマで何度もテレビ化されました。

従って、詳しい人もいますが、現実は司馬遼太郎という有名作家の小説が基であり、実話とは異なるという説が多いのです。

現実に、原田伊織氏の著作「明治維新の嘘」を熟読した私は、目から鱗の思いになり、歴史の不確実さに驚きました。

そもそも歴史とは、時の権力者に都合よく伝えられるというのが現実だ、と説く歴史学者が多いのですね。

と、なるとタイムマシーンでもない限り、現実の歴史を覗く事は無理でしょうね。

本日の裏話は、江戸の街は世界に自慢出来る都市だった、との話からSF小説の世界へ脱線してしまいました。

本日の結論! 歴史はアレコレ考えず教科書の通り信じるのが無難のようです。

信じる者は救われる、クイズ問題の正解は教科書の通りだからです。

 

地理の問題は故郷自慢

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、世界や日本の地理に関するクイズが時々出されていました。

これに正解するには、世界であれ日本であれ、地図をしっかり頭の中に記憶していれば安心です。

何れも国の首都、県庁の所在地の位置を覚えていれば、更に万全で、正解出来る確率は高まります。

第14回のグランドテイトンで、日本の地理に関する問題が出されていました。

問・都道府県の面積で、一番広いのは北海道。では、二番目はどこ?

答・岩手県

解説 北海道の面積は凡そ83,400平方㎞。これに対し岩手県は凡そ14,800平方㎞。

数字で表すと、北海道は岩手県より5.6倍も面積が広かったのが解りますね。

細長い日本列島で、太平洋と日本海の両方に接する県であり、これもクイズ問題に出されても良い特徴と言えます。

岩手県はそれほど広いだけ在って、昔から著名人も多数輩出していました。

例えば内閣総理大臣にしても、第19代原敬を初め第70代鈴木善幸まで、何と5人の内閣総理大臣を出しています。

例えば文化人を見ると、石川啄木、宮沢賢治と児童文学に貢献した作家が出ていますね。

芸能界を眺めると千昌夫、新沼謙治と故郷を売り物にスター街道を驀進しました。

更に世界を驚かせたスーパースターが居ました。大谷翔平君です。

メジャーリーグで新人賞を獲得。イチロー選手に次いで17年振り、日本人としては4人目の快挙だそうです。

翔平君の二刀流を直に見たいと日本から多勢の観客がアメリカを訪れました。

岩手県の皆さんに取っては、鼻高々な一年であった事は想像出来ます。

本日の裏話は、地理のクイズ問題から派生して、故郷自慢が出来るとのお話でした。

それにしても、大谷翔平君は大したもんですね。故郷自慢の皆さんに取って、嬉しい一年だったと推察できます。

大谷翔平君は岩手県の宝、いや日本の宝と言っても良いでしょう。翔平君は凄い!末永い活躍を願います。

 

ピサの斜塔が変化している

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、今年の問題としても「旬」の話題になる問題がありました。

第6回ですから、36年前のニューオリンズで次のような問題が出されていました。

問・ピサの斜塔から物を落として、落体の法則を発見したのは誰?

答・ガリレオ

解説 今年はピサの斜塔が、イタリアだけでなく世界的な話題となっています。

この塔は14世紀前半に完成しましたが、建設途中に地盤沈下があり、塔が傾いて出来上がったのです。

その後1,990~2,001年の改修工事で、なんと傾きが是正され今後更に真っ直ぐになる可能性まで論じられています。

ピサに生まれた、ガリレオ・ガリレイは実験結果を数学的に分析するという手法で、様々な発見をしました。

彼は哲学や宗教から科学を切り離すことに大きく貢献したことで、現在では「科学の父」と呼ばれています。

振り子は揺れの大きさにかかわらず往復する時間は同じである、という振り子の等時性の発見。

更に実験により、落下時の距離は落下時間の2乗に比例するという落体の法則の発見しています。

ピサの斜塔は、世界的に有名な建築物ですが、完成時から傾いていた欠陥建築だったのが面白い情報でした。

現代のマンションなら、入居拒否!と大騒ぎでしょうね。逆にピサの斜塔は欠陥が売り物で観光客が千客万来、結構な事でした。

本日の裏話は、ピサの斜塔が正常な建物に戻るかも知れない、という驚きのご紹介でした。

 

機械のように正確な人

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返って見ると、世界の偉人の凄さが解る事があります。

偉人に興味を持って、その人の伝記を読んだ方は、凄さを理解できるでしょうが、一般には名前と業績を知るくらいですね。

そうした人にとっては、ある偉人の日常生活は仰天するほど正確無比で無駄がなかった人、を問う問題がありました。

第6回のルイビルで、次の問題が出されていました。

問・「これでよし」という意味の言葉を最後に、一生を終えた哲学者は誰?

答・イマヌエル・カント

解説 ドイツの偉大な哲学者カントは、几帳面な性格で周囲を驚かせていました。

詩人のハイネは「あの町の寺院の大時計でも、カントほど規則正しく日々の勤めを果たしたとは思われない」と評しています。

その位ですから、街の人は同じ時間に同じ場所を散歩しているので、カントが通ると時計を合わせていたくらいです。

正に人造人間のごとく、正確なペースで日常生活を送っていたという事でしょうね。

従って、辞世の言葉も「これでよし」と己の完璧な人生に満足して、天国へ旅立った事と思います。

本日の裏話は、哲学者のカントは機械のように完璧な人生を送った人、と一つ知識を増やすお話でした。