戦争の歴史はクイズの宝庫

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、世界の出来事をテーマに創られたクイズがありました。

世界の出来事で、大きいのは何と言っても戦争でしょうね。何の為に何処と何処が戦ったか?

これは世界史の基本的知識であり、多くの人達が高校教育で学んだ筈です。

これを興味を持って記憶しているか? 或は無関心でサッパリと忘れ去っているか、クイズの分かれ道ですね。

第15回のロサンゼルスで、話題の多い有名な戦争の問題が出されていました。

問・白衣の天使ナイチンゲールが、自ら志願して従軍したのは何戦争?

答・クリミア戦争

解説 クリミア半島は昔から「世界の火薬庫」と評される位、紛争の震源地として知られています。

地形的には黒海の北岸にあり、昨年の11月にもウクライナ海軍の戦艦がロシア海軍に拿捕され、両国間の緊張が高まっています。

問題のクリミア戦争は、1,853年~1,856年に起こり、イギリス、フランス、ロシアが参戦しました。

ナイチンゲールは、38人の看護婦を率いて従軍。敵味方の区別なく傷病兵を看護し、白衣の天使と呼ばれたのです。

因みに、ナイチンゲールはイギリス人で(1,820年~1,910年)看護教育者、統計学者、近代看護教育の母と評されています。

90歳まで長生きし、イギリスのポンド紙幣にも描かれている英国を代表する偉人と言えるでしょう。

看護師が敵味方なく傷病兵を看護するのは、美しい行為です。しかし、それよりも重要なのは先ずは戦争を無くす事です。

戦争のない平和な世界こそ、ナイチンゲールが最も望む理想の世の中だった筈です。

本日の裏話は、戦争のクイズ問題から世界の偉人の足跡をご紹介しました。

「世界の火薬庫」なんて呼び名は早く消えて欲しいものです。

歴史好きの愉しみ

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、知識の奥行きや深さを探る形式の設問が多数ありました。

例えば、表面だけの知識ではなく、その項目に関して何処まで詳しく知っているのか?

例えば文学にしても、作者と作品を結びつけるだけでは、単純すぎます。主人公は誰か? 冒頭の文章は?

このような細部の知識は、少なくとも「作品」を読んでいなければ正解する事は無理ですね。

歴史に関しても、同じように「人物」や「時代背景」が解っていると正解率も高くなります。

日本の外交に関しての、基本的な問題が第11回のデビルスタワーで出されていました。

問・魏・呉・蜀の三国のうち、卑弥呼が使いを出したのはどこ?

答・魏

解説 魏志倭人伝によれば、卑弥呼は倭国の王(女王)で、日本は耶馬台国に都を置いていたとされています。

時は弥生時代の事であり、これは紀元前3世紀~紀元後3世紀の中頃、とされているので2,000年も前の話なのですね。

日本に天皇家が登場するのは、古事記や日本書紀に記されているものの、神話と重なっており実在は何時からか?

歴史家によって、諸説あるので線引きが難しいのが現実です。

その点、耶馬台国は天皇家が登場する以前のお話です。福岡県説、奈良県説などが有名です。

耶馬台国の所在地にしても、幾つかの説があって論争が繰り広げられ、歴史好きにとっては楽しみが多いですね。

処で、謎に包まれた「卑弥呼」とはどの様な人物だったのでしょう? 伝説では以下のような話が伝えられています。

彼女は生涯を独身で貫き、身内には弟が1人いただけです。従って子供や子孫はありません。

宮殿にこもり、神のお告げや祈祷で1日を過ごし、お告げは弟に託し民や宮殿の者に伝えられていました。

お告げは次々と的中。干ばつには「雨乞い」の祈りをすると、たちまち大雨が降る。正に神のように崇められていたと言います。

これだけの人物ながら、弟以外に顔を見たものが居ないというベールに包まれた人物でした。

卑弥呼が君臨している限り、戦いも無く平和な時代だったと伝えられています。

お伽話のような、夢のある存在だったのですね。

本日の裏話は、歴史上の謎の存在とも言える「卑弥呼」について少々突っ込んで調べて見ました。歴史って面白いですね。

 

 

 

ペットのネコのお話です

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には「動物」という分類があり、動物全般の知識が含まれていました。

動物には哺乳類、鳥類、両生類など細かい分類があり、或る動物が何処に所属するかは基本的知識と言えます。

例えば「蝙蝠」のように鳥類なのか、哺乳類なのか? 判別が付きにくい動物は恰好のクイズ問題と言えるでしょう。

そんな動物の中で、現在最も興味が持たれているのがペットになる動物の知識でしょう。

ペットの中では、犬、猫、小鳥などが人気ですが、そのペットの問題が第10回のニューヨーク決勝戦で出されていました。

問・バラエティーに富むネコの品種。シャムネコとペルシャネコを交配してつくられたネコは何?

答・ヒマラヤン

解説 ネコの中では人気の品種ですが、誕生したのは意外や近代で1,954年イギリスで誕生していました。

ヒマラヤンはネコにしては人間に懐く性質で、実は私の家でも以前に飼っていました。

当時我が家では、ペルシャネコとヒマラヤンの2匹を飼っていましたが、性質は真反対でした。

ヒマラヤンは私が帰宅すると、玄関に向かって走って出迎えてくれたのです。

一方のペルシャは、遠くの方でそっとご主人様の帰りを確かめただけの表情です。

ヒマラヤンは来客にも愛想が良く、足に纏わりついたりするので、客にも抱かれる事が多かったのです。

その点、ペルシャネコは来客に抱かれた事など1度もありませんでした。

同じペットのネコでも、性格は真反対でありながら、家族が留守の時は付かず、離れず傍に居たようです。

2匹は仲間なのですが、じゃれて遊ぶような事は見た事が無かったのです。

本日の裏話は、ペットのネコの問題だったので、猫の性格に関して、我が家の懐かしい体験をお話しました。

お隣さん中国に関して

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、世の中の森羅万象に及んで創られていました。

クイズは知識を競うゲームなので、知識が豊富、しかも記憶力が高い人ほど勝ち残るチャンスが増えます。

最近、中国が何かにつけて話題になっていますね。そこで、本日は中国に関する基礎的な知識を問う問題を探してみました。

第7回のニューヨークの決勝戦で、次の問題が出されていました。

問・中華人民共和国の建国記念日を何という?

答・国慶節

解説 1,949年10月1日、中華人民共和国は北京に中国共産党の本部を置き、建国を宣言しました。

今を去る事70年前ですから、今年の国慶節は予想では大々的な休暇になる事でしょう。

人間の長寿を祝う仕来たりは、昔の中国から伝わった習慣で、70歳は古希です。

従って、今年の国慶節は例年とは異なり、大々的な国家イベントになるだろうと推測されます。

おそらく、10月は中国から大量の観光客が来日するでしょう。となると、全国各地で様々な話題が巻き起こるかも知れません。

ニュース番組では、中国人観光客のマナーの悪さが連日のように取り上げられていますね。

でも、現実には中国人観光客の悪い話ばかりではありません。

中には美談もあるでしょうね。先日、私自身が地下鉄で目撃した事ですが、中国人家族がお年寄りに席を譲っていたのです。

それも父親の命令で、家族4人が立ち上がり周囲のお年寄りに席を進めていました。

周囲の日本の若者も、ニコニコ笑顔で嬉しそうな気分になっていたようです。

テレビのニュース番組では、中国人観光客の嫌な部分だけが報じられていますが、中には良い部分も沢山あるのが現実です。

政治、経済共に日中関係は緊張していますが、でも国民の中には友好的な人々も大勢いる事でしょう。

本日の裏話は、中華人民共和国の印象を一派ひとからげにせず、人それぞれに異なるという事です。

そこで結論! 端迷惑な人は何処の国にも居ます。中国人を一方的に非難するのは止めましょう、との提案です。

 

毎回・輝いたチャンピオン!

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人の知っているべき常識を問うクイズが多数ありました。

常識的な知識は、基本的に義務教育の中で学んでいます。それを記憶しているか否かで勝負が決まります。

そんな中で、日本語の最も基礎的な問題が、第6回のニューヨークの決勝戦で出されました。

問・書道で使う基本となる三つの書体といえば、草書と楷書と、あと一つは何?

答・行書

解説 ゆっくり考えれば、誰でも正解出来る易しい問題の典型と言えるでしょう。

ましてや、決勝戦にまで勝ち残った二人ですから、知らないはずがありません。

どちらが早くボタンを押すかの、瞬間が決め手の問題でした。草書と楷書の「楷」まで聞いたところでボタンを押した方が勝ち。

瞬間の閃きが勝負の決め手だったのです。視聴者もこの瞬間「うーん」と唸った事でしょう。

勝負していた二人とも、正解は知っていた筈です。閃きが早くボタンを押すタイミング勝負でした。

さすがに決勝戦は名勝負、と満足した事だと思います。我々は常に挑戦者をより魅力的に描く事に神経を使っていました。

決勝の問題は、難問ばかりと考えた方も多いでしょうね。しかし、緩急つけながら問題はリズム良く配列したのです。

第一次予選の後楽園球場で、何万人の中から勝ち進んだ勝者なので、知力・体力・時の運に恵まれた事だけは確かです。

そんな挑戦者が輝いて見えなければ、我々スタッフの負けと言えます。

従って、毎回挑戦者を魅力的に描くアイデアを考えていたのでした。勝者には輝き!敗者には同情を!

本日の裏話は、決勝戦のクイズ問題は難問ばかりでは無い。易しい問題も、勝者を輝かせる手法として使っていたのでした。