海水浴で自慢出来る話

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は知って得する知識、知らなくても日常生活に影響のない話などから創られていました。

特に、知って得する知識は、一般に知られていない知識なので物知りとして、周囲の人から一目置かれる事になります。

でも、そうした知識をひけらかすと「嫌味な奴」と嫌われる事になるのでタイミングに気を付けなければなりません。

それに近い話が出た時に、何気なく知識を披露すると「教養があるな」と周囲に認められる事になります。

前置きはこの位で、本日は一般に知られていない「知って得する知識」の問題をご紹介しましょう。

第4回のハワイで出された問題です。

問・有名な旅行家で、太平洋の名付け親となったのは誰?

答・マゼラン

解説 この問題のミソは、旅行家との表現で「航海士」ではなかった事です。

もし「有名な航海士」といえば、マゼランキャプテン・クックを思い付き、そのどちらか見当が付きます。

どちらも大航海時代に、世界中の海を航海している人物で、海に興味のある方ならば知っている知識でしょう。

マゼランは1,521年に初の太平洋を航海し、シケが多かった大西洋に較べ平穏だったので「太平洋」と名付けました。

英語ではPacific  ocean であり、日本語では太平洋と訳され、大西洋とは「大」と「太」と漢字が異なります。

これについては、太平洋にはハワイがあるので「、」が付くのだとの話がありますが、真実は定かではありません。

従って、この話はクイズ問題としては不適格と言えるでしょう。

本日の裏話は、知って得する知識として、太平洋の名付け親が有名な航海士のマゼランだった、とのお話でした。

太平洋の浜辺に泳ぎに行っている皆さん、今こそ「この海の名付け親は誰だ?」と得意になれる絶好のチャンスですよ~。

○×問題を勝ち抜くために

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、森羅万象の知識を競う目的なので、広い知識が要求されます。

でも、正確な知識が無くても正解出来る問題がありました。それは○×という2者択一の問題形式です。

これは推理して答えても、また単なる感で〇か✖かを選んでも結果は同じになるという嬉しい形式でした。

○×問題で、知識が無くても推理し易い、典型的な問題がありましたのでご紹介しましょう。

第3回の後楽園球場、国内第一次予選での問題です。

問・「未完成交響曲」は、シューベルトの最後の作品である。〇か✖か?

答・✖

解説 「未完成」とは完成しない間に死亡したのでその名が付いたのだろう、と推測する事が出来ます。

でも、この曲を作曲したのは彼が25歳の時で、死亡したのは31歳なのでこの推理は当たりません。

交響曲は通常四つの楽章から構成されます。彼は第一楽章、第二楽章までを作曲した後、その後は作らなかったのです。

理由は「これで完成」「その後は駄作に過ぎない」と考えたとの推測がなされていますが、決定的な証拠は残されていません。

それは兎も角、この曲の正式名はシューベルトの交響曲第七番と呼ばれ、彼の代表作と評されています。

因みに、クラシック音楽ファンの間では、ベートーベンの「運命」ドヴォルザークの「新世界」と並んで3大人気作品です。

本日の裏話は、○×問題の盲点をご紹介しました。〇×の必勝方は正解の逆を選ぶ事です。でも正解率は5割なので同じですね。

本当に正解するには、正しく答を知っている事しかないのです。勝つための裏技はなく当たり前過ぎる結論でしたよ~。

 

海で遊ぶ皆さんへ

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、分類の枠に入らない問題があり、それらは「雑学」問題と呼ばれていました。

雑学は、誰もが「どうなっている?」と不思議に思う問題が多くクイズ問題作家が、自分で考え調べたオリジナル問題です。

実は、問題作家は必ず「出典」を書かなければならず、新聞、週刊誌などの場合は、日付けも記すルールでした。

従って、クイズになり易い出来事があると、同じ問題が多数提出される事になります。

これは作家としては、効率が悪いので自然とオリジナルの問題を創るようになります。

問題用紙の出典が「自作」はオリジナル問題なので、クイズ問題選考会議で「採用」と判定される確率が高いのです。

では、出典「自作」のオリジナル問題をご紹介しましょう。第14回のタヒチで出された問題です。

問・陽にあたる権利は「日照権」といいますが、海で泳いだり、魚を取ったりする権利を何という?

答・入浜権

解説 辞書によれば「入浜権」とは、魚介類の採取や海水浴、観光に利用するなど全ての国民が海浜を自然のまま利用出来る。

即ち、海を自由に利用享受する権利とあります。

実は、海の汚染からはじまった「反公害運動」を切っ掛けに生まれた言葉で、法的には未完成な部分が多いようです。

但し、海釣りや潮干狩りを楽しむ場合は、地元の漁漁組合が決めた規則があるので、それに従ってください。

特に、地元の名産品、イセエビ、タコ、鮑やさざえ等の魚介類の採取は禁止されている事が多いはずです。

下手をすると「密漁」になり、これは犯罪ですから取り締まりの対象となってしまいます。

また、家族で楽しむ「潮干狩り」も、漁業組合が細かな規則を決め、料金設定も全国共通ではありません。

本日の裏話は、8月は海を楽しむ絶好の季節。

その意味で「入浜権」に関しては多少の知識が必要と思い、この問題を取り上げました。

夏休みなので、海水浴へ行くのも結構! でもお酒を飲んで泳いだり、陽に焼けすぎて熱中症にならないようご用心ですね~。

シンデレラ・ブームになりそう

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は森羅万象の情報から、人々の常識とされている知識を中心に創られていました。

常識の中でも上、中、下と分けられ、上は専門分野の人なら解る超難問、中は普通の知識人なら正解出来る問題。

下は子供やお年寄りなど、誰でも知っている常識的な易しい問題の3段階に分かれていました。

その中から、本日は易しい問題に関して考えてみたいと思います。

第7回のハワイで出された問題で、誰でも簡単に答えられる易しい問題です。

問・玉の輿に乗ることのたとえにされる童話の主人公は誰?

答・シンデレラ

解説 貧しい女性が王子様と知り合って、一躍高い地位を得る女の子にとっては夢物語ですね。

男でも、急に有名になったスポーツ選手など、シンデレラ・ボーイと呼ばれ、急激に出世する代名詞でもあります。

処で、童話の主人公の女の子は、シンデレラだけではありません。「マッチ売りの少女」「白雪姫」など多数あります。

特にグリム童話の「白雪姫」は、魔女の継母から命を狙われ、森の動物や七人の小人に助けられる物語です。

最後は、王子様と結ばれる、とのストーリーはシンデレラと似ている点もあります。

女の子が主人公の童話は、何れも似たような夢物語が多いので、挑戦者も「シンデレラ」と決断し難いのです。

超易しそうな問題の場合、必ず似たような状況が準備され、これが落とし穴となって誤答してしまうのです。

そこで、MCの福留さんが「そんなわけないだろう!」と勝ち誇ったように進行するのがパターンになっていました。

挑戦者の側から見れば、実に意地悪な落とし穴であり、これこそがウルトラ・スタッフの本性だったのです、イヒヒ…。

本日の裏話は、超易しいクイズ問題こそ気を付けないと恥をかきますよ、との今だから話せるお話でした。

オリンピックが近くなった昨今、スポーツ界では若手のシンデレラガール、シンデレラ・ボーイが多数誕生しています。

その意味では、令和シンデレラ・ブームかもしれませんね~。

 

クイズ問題の変化球とは?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、日本語に関する常識的な問題が毎回出されていました。

言葉の意味を直接問うのでは、クイズでは無く「国語の試験」と同じでそうした手法は避けています。

そのため言葉に変化球を加えて、思考を迷わせる事もありました。その典型的な問題をご紹介しましょう。

第11回の国内第二次予選、久伊豆神社で次の問題が出され挑戦者を惑わせました。

問・何をやってもだめで、不吉な事が起こる日。これを陰陽道(おんみょうどう)でいうと何日?

答・厄日

解説 この問題の変化球は「陰陽道」一言です。占いの種類には違いないが「この知識は無いぞ」と思考が停止。

前振りで「陰陽道」が付いたために、古い占いの流派らしいが、その知識は皆無なのでギブアップとなってしまうようです。

直接、「運が悪くついていない日は?」と問われれば、日本人の大多数が「厄日」と答えられる超易しい問題なのです。

因みに「陰陽道」とは、古代の中国で生まれた自然哲学思想で、日本に入ってからは、独自の発展を遂げた占いの一種です。

これに携る者を「陰陽師」の家系として、古くから日本全国に伝わっているのです。

そう言えば、2,001年に「陰陽師」との映画が作られ、当時話題になりましたね。

滝田洋二郎・監督、野村萬斎・主演で、怨霊に取り付かれた人物を救う摩訶不思議な世界を描いた作品でした。

能楽師の野村萬斎氏は、この映画の印象が強かったのか、アイススケートの羽生結弦選手の振り付けを担当、成功させています。

その関連か?東京オリンピック・開会式の総合演出を担当するなど、世界的な舞台で脚光を浴びる事になりそうです。

能楽自体が日本の伝統文化なので、世界中の人々を感動させる開会式になりそうです。