年代によって意味が変わる言葉?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には「語源」の分類がありました。

語源を大きく分けると、日本古来の語源と外来語の語源があります。

日本古来の場合は、生活や習慣の歴史が解り、しかも地方色も出てくるので興味が持て、クイズ問題には恰好です。

一方、外来語の場合は「源語」を知らないと、難問の部類に属し正解は困難かも知れません。

従って、〇×問題のような選択しがあれば、運が良ければ正解出来る事になります。

第15回のグアム・突撃〇×泥んこクイズで、次の問題が出されていました。

問・ズボンは、足を「ズボン」と入れるところから、この名が付いた。〇か✖か?

答・✖

解説 ズボンは日本古来の衣装ではありません。従って外来語と理解すれば、多少は正解に近付けたでしょう。

これはフランス語でペチコートを表す「jupon(ジュポン)」がなまって「ズボン」になったのだそうです。

意味は知らなくても「ジュポン」と言えば、何となくフランス語っぽく聞こえるのが笑えますね。

日本語となった「ズボン」も、時代によって呼び名が変わってきました。

現代の若者はズボンを「パンツ」と呼んでいますが、これはジーンズのパンツ、ジーパンから浸透した言葉のようです。

一方、昭和時代の人間はパンツといえば下着のパンツであり、時代によって言葉の意味が大きく変化する典型的な例でしょう。

でも、スーツの場合は「上着」と「ズボン」のように使い分けているので、ズボンは死語ではありません。

日本語は、世界でも難しい言語の部類と言われています。年代によって表現が変わる珍しい例のご紹介でした。

衣装の中で、ズボンは流行に敏感で太くなったり細くなったり良く変化しますね。

それも裾、太もも、腰回りと部分を変えて流行が変わるので、その都度お直しをしていると原型が解らなくなってしまいます。

丁度11月は衣替えの季節。流行遅れのズボンやパンツは纏めて処分しましょう。

後生大事に、箪笥の肥やしにしても何の得にもなりません。箪笥も気分もサッパリ! 気持ち良く年末が迎えられますよ~。

 

 

なぜ、超易しい問題があるの?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、正解を知るのは当然として、解説の中にも薀蓄の楽しみが含まれていました。

学校の試験で記憶するコツに、短い言葉を暗記して年号や出来事を覚える方法は誰もが経験した筈です。

そんな経験を、懐かしく思い出す「超易しいクイズ」がありましたのでご紹介しましょう。

第16回のレイクパウエルで行われた「大声クイズ」での次の問題です。

問・「小の月」を表す「西向く侍(にしむくさむらい)」。この「侍」と呼ばれるのは何月のこと?

答・11月

解説 「何故こんな簡単な問題?」と思われるでしょうが、「大声クイズ」の形式だからこその問題です。

これは正解を大声で怒鳴らなければなりません。しかも一定の音量で叫ばないとウルトラ・ハットが立たないのです。

従って、挑戦者は全員が大声で「11月、11月、11月」と連呼し、その表情が面白いとの事で人気のクイズ形式でした。

レイクパウエルの広大な景色の中で、挑戦者たちの大声が虚しく吸い込まれていく画面は実に笑える風景でした。

処で、11月を何故「侍」と表現したのか? それがクイズとしてこの問題が採用された理由です。

漢字の「十一」をつなげると「士」との文字になり、士=武士=侍とこじつけたのだそうです。

小の月とは、陰暦で一カ月の日数が30日以下の月。即ち、二、四、六、九、十一の事ですね。

その他、三十一日まである一、三、五、七、八、十、十二月は大の月と日本人は呼んでいます。

この習慣は外国人には理解し難いことで、説明は更に難解なので日本語を余程理解していないと無理でしょう。

本日の裏話は「何故、こんなに超が付くほど易しい問題があるのか?」の番組事情のお話でした。

今日は、小の月の丁度真ん中の15日。何故か郷愁を感じる季節でもありますね。

「秋は夕暮れ……」と清少納言も枕草子の中で書いているように、日本が美しい景色になる季節でもありますね。

一方、北国では冬支度に忙しい季節でもあり、日本列島は広いので一言では表現出来ません。

十一月を一言で表すには西向く侍です、良い言葉ですね~。

 

 

語源の面白さ

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、日本語の語源を問う問題が時々出されていました。

語源は我々のご先祖様が、生きて生活する中から自然発生的に生まれたものが多く、昔の生活習慣が解ってきます。

日本人の歴史が解るだけに、クイズ問題としては恰好の分野と言えるでしょう。

そんな昔の暮らし振りが偲ばれる、典型的な問題が第11回のロスアンゼルスで出されていました。

問・火吹き竹で火を吹くために口をとがらせた顔をしているお面は何?

答・ひよっとこ

解説 語源の場合諸説ありますが、この場合は「火男(ひおとこ)」がなまって「ひよっとこ」になったの説が有力です。

日本人の昔の生活では、釜土や風呂の火は、火吹き竹でフーフー息を吹きながら火の調節をしていたのですね。

その時の顔が、口を尖らせ滑稽に見えたところから、お面の顔になったのでしょう。

日本のお面には鬼をはじめ、七福神や伝説の物語の主人公など多種ありますが、女性の「おかめ」と呼ばれるお面があります。

これは美しく無い女性を「おかめ」又は「お多福」と呼んでいましたが「おかめ」と対で「ひよっとこ」も表現されています。

お面は昔「能楽」やお芝居で使われる事が多く、現代では多種のお面が玩具として作られ、老若男女に愛用されています。

本日の裏話は、語源の問題から日本人の昔の生活を振り返り、顔の面白さとお面の関係についてのお話でした。

顔の人気は時代によって異なります。「お多福は幸せそうだ」など、現代では顔の評価も変わって来ています。

「ひよっとこ顔も愛嬌がある」とイケメンより持てるかも、ってな事は有りませんね。やっぱりイケメンの方が勝ちなのかな~。

 

 

 

日本史の常識を問う

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、歴史の分類があり日本史、世界史の中からクイズが作られていました。

日本史も世界史も義務教育で習っているので、殆んどの日本人にとっては常識として頭に入っている筈です。

とは言え、記憶力と興味に関しては人それぞれ異なるので、忘れてしまう人も多く、この辺が勝負の分れ道と言えます。

記憶力の良い人なら簡単、逆の方にとっては難問に聞こえる問題が、第10回のロサンゼルスで出されていました。

問・日蓮、世阿弥、順徳天皇などが、流されたのは日本海のどこの島?

答・佐渡ヶ島(佐渡)

解説 日本海の沖に有る島といえば、島根半島の沖に有る「隠岐の島」と新潟県沖に有る「佐渡ヶ島」を連想しますね。

問題にある三人の内の誰であれ、その一人が流された島が解れば正解出来る簡単な問題でした。

歴史的に古い順に、順徳天皇が1,221年に流され、亡くなるまでの20年間余りを過ごしていました。

日蓮は1,271年、世阿弥は1,434年にそれぞれ流され、許されるまで佐渡で過ごしたとの歴史がありました。

因みに、佐渡の歴史を見ると大化の改新以後、「佐渡の国」が置かれ流刑の地として知られるようになりました。

鎌倉時代以降は、本間氏上杉氏などの支配地となっていますが、1,601年に佐渡金山が発見され「宝島」となったのです。

関ヶ原の戦いの後は、当然の流れとして徳川家の支配地になり金の産出は日本一として知られています。

また、流刑で流された貴族の文化、武家文化、町民文化が一体となって佐渡特有の文化を形成したと言われます。

中でも、有名なのは「能」であり江戸時代には200を超える能舞台があったそうで、現在も32余りの能舞台が残っています。

これは、能の大成者の世阿弥が流刑された影響で、その他数々の文化が受け継がれている島なのです。

本日の裏話は、日本史のクイズ問題から昔は「宝島」と呼ばれた佐渡ヶ島の歴史にまで踏み込んでしまいました。

そう言えば、佐渡をテーマにした歌や物語も数多くありますね。その代表は「佐渡おけさ」でしょう。

佐渡はいよいか、住みよいか~、多分住みよい処でしょうね~佐渡okさー、なーんちゃってお粗末な締めでした……。

 

常識の裏側を考えよう

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題には、常識の中の盲点を突いたクイズが時々出されていました。

誰でもが常識と思っていた事が実は誤りであり、「真実はこれ」という事象を見つけて問題を創っていたのです。

この種の問題は、○×問題に多く使われていて、とっさの判断で決断しなければなりません。

第5回のハワイで行われた「クレーン宙吊りドボンクイズ」で、次の問題が出されていました。

ニワトリのメスも齢を取るとトキをつげるようになる。〇か✖か?

答・〇

解説 「コケコッコー」と鳴くのは雄に決まっている、というのが一般常識です。

処が、現実は雌のニワトリも齢を取るとホルモンの関係で卵巣が一つ退化して、雄のようになってしまうのです。

人間も同じように齢を取ると、女性的な振る舞いを忘れ、男性的な言動をする人が時々いますね。

そこでホルモンとは何か? 調べて見ました。

辞書によると、生体内の特定の器官の働きを調節するための「情報伝達物質」なのだそうです。

簡単に言うと、身体の組織に変化を起こさせる物質で、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスで感情を動かすようです。

人間も動物も、ホルモンによって感情が変化する訳で、これは生物の特徴かも知れませんね。

医学の進化で、男性ホルモンも女性ホルモンも、それぞれ独立して薬剤があるのでコントロールも自由です。

男性的、女性的、それぞれ理想の性格はホルモンの投与によって造られるようで、人間の知恵は凄いですね~。

本日の裏話は、常識の盲点を突いたクイズ問題のお話でしたが、現代は人間の性格まで変えられる時代なのですよ。

「それなら夫をもっと男性的に変えたーい!」との奥様もいるのでは? 否その反対もいるでしょうね。どちらが多いのかな~。