外来語の漢字表現の時代

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、日本語に関する常識問題が多数出されていました。

その中には外来語もありますが、同じ意味を持つ日本語も当然存在します。

例えば、第2次世界大戦中には、外来語は敵国の言葉なので使用禁止との法律があり簡単な言葉も日本語で表現しました。

例えば、スポーツでもサッカー、バスケットボール、バレーボールなどは使用禁止の言葉でした。

日本語で言えば蹴球、籠球、排球などの言葉で表し、学校のクラブ活動でも昭和30年代までこの名前で呼ばれていたのです。

そんな時代ですから、楽器なども日本語で表現しており、クイズ問題でも時々出されていました。

現代では洋楽器は世界共通の名称ですが、そんな懐かしい日本語の楽器名を問う問題がありました。

第3回のグランドキャニオンでの早押しクイズで出された問題です。年配の方なら必ず答えられる問題でした。

問・アコーデオン、日本語では何という?

答・手風琴(てふうきん)

解説 オルガンは風で音を出す琴なので「風琴」。アコーデオンは手で風を出すので「手風琴」でした。

また、ハープは「竪琴(たてごと)」など結構苦しい日本語表現もありますが、戦争中は外来語は使えませんでした。

因みに国名、都市名も漢字表現をしなければ、国賊扱いを受けて逮捕されることもあったのです。

サンフランシスコは「桑港」。ニューヨークは「紐育」。ロサンゼルスは「羅府」。ワシントンDCは「華盛頓」。パリは「巴里」

何れにしても苦しい当て字で、すでにほとんどの漢字表現の都市名は死語ですが、クイズの素材としては生きていますね。

本日の裏話は、戦争中に外来語が禁止されていた時代の、日本語表現の面白さのお話でした。

クイズは森羅万象の知識を競うゲームなので、普段の社会生活では不要の知識でも、知っている人が勝つゲームです。

という理屈で、クイズマニアはあらゆる事象に興味を持ちましょう。とは言え知ったかぶりの蘊蓄(うんちく)博士は嫌われます。ご用心を~

異常気象の先にあるのは?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、日本人の昔の習慣や言葉など、歴史的な事象が出される事がありました。

お年寄りが「昔はねえ」と歴史的な出来事を若者に語り継いだのが、一般常識となり現代に残っている事がほとんどです。

そんな昔の人が普通に使っていた言葉の問題が、第5回のアカプルコで出されていました。

問・筑紫二郎とは筑後川の愛称。四国三郎は吉野川の愛称。では、坂東太郎とは何という川の愛称?

答・利根川

解説 利根川は群馬県の水上町にある大水上山(おおみなかみやま)を水源として赤城山と榛名山の間を流れています。

群馬、埼玉、茨城などを経て千葉県の銚子市から太平洋の鹿島灘に注いでいます。

長さは約322Kmで、信濃川に次いで日本第2位。日本屈指の大河川といって良いでしょう。

また、問題にあった九州の筑紫二郎、四国の四国三郎と並んで、日本の暴れ河として多くの災害を出していました。

近年の記憶でも、2015年9月台風18号の時、鬼怒川の大水と合流し茨城県常総市で大災害が発生しています。

床下浸水約6,600戸、床上浸水約4,400戸。しかも新興住宅地だったため新築間もない家が流され痛々しい映像が涙を誘いました。

このような洪水を防ぐために、近代国家日本では各地にダムを建設し莫大な費用を投じていますが、それでも被害があるのです。

特に近年は、世界的に異常気象が問題化しており、今年の「コロナ騒動」もそうですが、人類の危機的状況と言えるでしょう。

本日の裏話は、日本の川に関するクイズ問題から、洪水→台風→異常気象→コロナ騒動へと結び付いてしまいました。

結論は毎度お馴染み!「コロナを早く退治してくれ~」です。

 

声の美しい女性を例える鳥は?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、森羅万象の中から出されるので、知識の幅は広い方が有利です。

社会生活に関係のある事象については、何でも知っておこうとの心構えが必要で、情報は何でも吸収した方が得です。

日本では野球ファンは多いのですが、これに関連するクイズ問題も多数出されていました。

野球選手やその成績、チームやルールの他にもクイズ問題はありました。

第4回のハワイの船上で行われた「一対一早押し新ダイビング・クイズ」での問題です。

問・野球場の場内アナウンス嬢を俗に何嬢と呼ぶ?

答・ウグイス嬢

解説 日本では「声の美しい女性」をウグイスに例えて呼ぶ習慣が昔からありました。

歌の上手な芸者さんを「うぐいす芸者」などと呼んでいました。

野球場のアナウンス嬢も、声が美しいに越した事は有りません。中には選手の情報を楽しく伝える人など各球場にいました。

ウグイス嬢が活躍するのは、野球場だけではありません。選挙が近付くと日本中の市町村でウグイス嬢の声が響きます。

同じ声を聞くなら、男性よりもウグイス嬢の声を聞いた方が良いのは自然の流れと言えるでしょう。

処で、最近選挙・カーのウグイス嬢がトップ・ニュースになりましたね。

河合克行前法務大臣が、妻の河合案里参議院の選挙の際、ウグイス嬢に規定の料金15,000円の倍の30,000円を払っていたのです。

この選挙違反が追及されるや、克行議員は法務大臣を辞職、但し議員は止めずに続けています。

この違反は、秘書がやった事と恒例の他人の責任と逃げましたが裁判で秘書が有罪になれば連座制で案里議員は失格になります。

両議院とも国会は休み。議員歳費とボーナスは受け取ったと報じられましたが、コロナ騒動の陰に隠れて忘れられた状態です。

今回のコロナ騒動は、世界を震撼させた大災害ですが、そのニュースに隠れて悪事が知られないのも問題です。

人の噂も七五日の諺もありますが、選挙の候補者の噂は忘れないよう願いたいものです。

国会議員を選ぶのは国民です。議員が誤った方向へ行かない様に見張るのも国民です。今度の選挙、しっかり見張りましょう。

本日の裏話は、美しい声のクイズ問題から選挙違反の話へと脱線しましたが、来年の選挙は正しい人に投票しましょ~。

 

 

日本の伝統的な文化を多少は知ろう

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、日本人としての一般常識を問う問題が基本でいた。

一般常識と限った言い方をすると、これを知らないのは常識外れとの言葉で、常識人から蔑まれる事があります。

昔から、年長者に較べて若年者は経験が浅いだけに、知らない常識も結構多いというのが知られています。

そこで「初耳」の言葉を耳にした場合は、その意味を問う事がよいでしょうね。

諺に「聞くは一時の恥」「知らぬは一生の恥」とあるように、一時の恥を重ねると、日本人として常識人になる事が出来ます。

そこで、日本語の言葉の問題です。年長者なら誰でも知っているはずの表現。あなたならどうでしょう?

第3回のグランドキャニオンで、次の問題が出されていました。

問・「お湯加減はいかが?」といえば風呂のお湯の場合。では服加減といえば何の味加減?

答・茶・抹茶

解説 茶道で、茶の温度、濃淡などの加減を聞く時の「茶道」用語で「服加減」といいます。

自分は「茶道」を習っていないから、そんな用語は知らなくて良い、とは言えません。

日本人の多くの女性が、嫁入り前の稽古事として、茶道を習うのが昭和時代までの若い女性でした。

また、茶道は日本の伝統的な文化なので、その基本的な知識は多少知っていた方が良いと思います。

特に「茶道」に限らず、日本の文化に関する知識は面倒でも、少しは目を向けて知識の一端に加えて下さい。

クイズマニアは、自分の得意な分野を幾つかに分類し、頭の引き出しに整理して記憶しています。

それは大いに結構です。でも整理できない面白そうな出来事は「雑学」として大雑把に覚えて置きましょう。

本日の裏話は「日本の伝統的な文化」は、避けて通らず少しは覗いて見た方が、クイズには勝ちますよ、とのお話でした。

クイズの達人は、知識は「深く詳しく」よりも「浅く広く」の方が有利とチャンピオン達は口を揃えていました。

そう言えば、テレビや新聞、雑誌、今年は「コロナ騒動」で大騒ぎです。

当然、医学関係者が登場し、感染症やウイルスなどの知識を詳しく深く説明するので国民は知識だけは豊富になりました。

将来のクイズでは、コロナ・ウイルスの問題は全員正解!となってしまうので出題の可能性はないでしょうね。

思い出すのも嫌!といった「今世紀最大・世界の災難」ですが、来年からの世界はどうなるの? 誰か教えて~分からないよね。

 

文学の問題の視点は三つです

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、事象の全体を捕える、中味の一部、細部と三つの視点から問題は作られていました。

問題の難易度は全体は易しい、中味は中程度、細部は難しいと我々は考えて問題を配分していたのです。

例えば文学の問題としましょう。全体の場合は作品を上げ、作者は誰? といった単純な問題です。

中程度は、作品を読んでいる、或は筋書きだけは知っている。従って作品のテーマ、登場人物などを問う事が多いでしょう。

細部は作品をしっかり読んでいる。このような人なら答えられる問題であり、作品を理解していると見るべきでしょう。

以上説明した事を念頭に置き、文学では難易度が高い問題をご紹介しましょう。

第六回のアラスカで出された「一対一早押しクイズ」での問題です。

問・川端康成の小説「雪国」の中で、一番最初に出て来るカタカナの言葉は何?

答・トンネル

解説 「国境の長いトンネルを抜けると、雪国であった」というのが冒頭の文章で、作品を読んだ方なら記憶にあるでしょう。

内容は、学生時代の作者と温泉地・湯沢の芸者「駒子」の恋愛小説で、私小説の代表的な作品です。

文章の冒頭をクイズ問題にした例は、数々あり例えば島崎藤村の「夜明け前」の問題は以下の通りでした。

「木曽路はすべて山の中である」の書き出しで知られていて、国語の試験でも、この問題を経験した方は多い事でしょう。

また、夏目漱石の「坊ちゃん」の冒頭も問題で出されていましたので、記憶にある方もいるでしょう。

「親譲(おやゆずり)の無鉄砲で子供の時から損ばかりしている」。子供の時から「○○ばかり」を問う問題でした。

文学の問題は外国、日本を問わず毎回クイズ問題になっていて、文学全集にあるような代表作からの出題がほとんどです。

ウルトラクイズに限らず、クイズ・マニアには文学ファンが多いので、どの番組でも取り上げているのが現実ですね。

本日の裏話は、文学作品のクイズ問題に関する視点は三つあったという、今だから話せる内輪話でした。

今年のゴールデンウイークは、例年に無い長さですが、観光地や高速道路はガラスキです。

里帰りはダメ。家族で家に閉じこもる、何とも退屈な休暇ですがこんな時こそ、本棚の書籍を熟読出来るチャンス到来です。

折角、読書のお話をしたのですから、目を本箱に向けて有効利用しましょう。

今年の「コロナ騒動」は迷惑千番ですが、読書三昧で愉しむ事が出来れば少しは得した気分になれるのでは…気の持ちようです。