アメリカ横断ウルトラ・クイズの象徴的な存在は「自由の女神」でした。
番組の象徴なので、東京ドームの○×クイズの第1問にも数多くの問題が創られていました。
クイズ問題作家の皆さんは、自由の女神に関してあらゆる情報を集めていましたが、その関連で別の問題が数多く生まれています。
自由の女神が誕生したのは、1,886年(明治19年)の10月28日と記録されています。
従って、1,886年という年号に執着し、この年に完成した建造物や歴史的な出来事を調べるのがクイズ作家達の作業になりました。
例えば、日本では北海道庁がこの年の1月26日の設置されています。
それまでは根室県、札幌県、函館県と呼ばれていましたが北海道庁の誕生で、この県は廃止されていました。
自由の女神の設立年が判明しているので、「道庁が同じ年」という○×問題は、調べれば解ってしまうので、第1問の問題としては成立しません。
また、この年に誕生した日本の著名人も沢山いました。
経団連会長の実業家・石坂泰三さん、作曲家の山田耕筰さん、画家の藤田嗣治さん、作家の谷崎潤一郎さんなど錚々たる面々です。
これ等の人達も、即・誕生の年を調べられるので、第1問には使えません。
この明治19年に着目して創られた問題が、数々ありましたが多くは没になっています。
その中から生き残った一つが、第16回の機内ペーパー・クイズの第1問に採用されています。
問・ニューヨークの自由の女神像が完成した1,886年に発表された小説は?
①赤毛のアン ②ああ無情 ③小公子
答・③
解説 アメリカの女流作家バーネット夫人が1,886年に書いた児童向け小説の名作です。
「小公子」の題名は、日本語訳者の若松賤子さんの訳題で明治23年に付けられたものでした。
その他、自由の女神が創られた1,886年に拘ると、アトランタでコカコーラが販売を開始したのも、この年の出来事でした。
話のタネとしては面白い情報ですが、自由の女神と重ねてクイズ問題に仕上げるのには無理があります。
こうした資料を、日本語では「帯に短し、襷に長し」と言います。