スポーツ用語の社会進出

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、知って得する、或いは面白い知識が沢山ありました。

クイズ問題の分類の中で、スポーツという枠があり、スポーツ関連の問題が数多く揃えられていました。

スポーツ好きの人なら常識となっていても、一般には知られていないスポーツ関連の用語があります。

中には、スポーツから生まれた言葉なのに、スポーツ以外でも良く使われる言葉が在り、クイズ問題には恰好の題材となります。

第5回のテオティワカンで、次のような問題がありました。

問・サッカーの試合が終わるとゲームセット。では、ラグビーの試合の終わりは?

答・ノーサイド

解説 スポーツの終わりは、ゲームの終了なのでゲームセットで良いように思われます。

でも、ラグビーは特別に「ノーサイド」という言葉で試合終了を告げます。

「ノーサイド」の画像検索結果

この意味は、ラグビーは紳士のスポーツなので、戦いの後は、敵味方の区別なく互いの健闘を称え合おう、という精神から生まれた言葉なのだそうです。

例えば、選挙の終わった後は「ノーサイドで政治をやって行こう」と言う風に使われていますね。

これは、スポーツマンシップの代表的な精神で、政治家の皆さんには是非とも実行して欲しい言葉です。

国会も地方議会も、党派の足の引き合いばかりが目立つようでは、有権者のためになりません。

選挙で敵側の陣営を誹謗、中傷、攻撃する事は選挙戦の常套手段かも知れません。

でも、選挙が終わった後も、その気分を引きずっているのが有権者に解ってしまうようでは困ります。

選挙に限らず、争いの後には「ノーサイドで行う!」って、実に便利な言葉です。

一般社会でも多用したいですねえ。平和のために。

知られていない日本語の意味

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、知識の空白を突いた問題がありました。

例えば日本語の単語は知っているのに、意味が不明という言葉があります。

単語は知っているのに、意味が解らないでは日本語として使う事が出来ません。

でも、そうした言葉が、日常よく使われているのです。我々はその様な言葉を探しクイズ問題にしていました。

第14回のレバノンで次のような問題でした。

問・「夢うつつ」の「うつつ」とは何の事?

答・現実

解説 「夢うつつ」という言葉は普通に使われますが、現実の事を「うつつ」という単語で表現をする人は少ないでしょうね。

「これ、うつつに在った話なんだよ」という会話は聞いた事がありません。

「うつつ」は夢と重ねて使われ、初めて通用する言葉になっているのですね。

落ち着いて考えれば、「夢と現実」が判別出来ない状況を表現しているので、意味は解るはずです。

「夢占い」の画像検索結果

でも、クイズで突然「うつつ」とは何の事? と問われると咄嗟に答えられないのが普通の感覚でしょう。

これを「知識の空白」と考え、この種の問題を準備し挑戦者の意標を突いたタイミングで出題していました。

外国人が日本語は難解、というのが良く解る例題としてこの「うつつ」の単語を取り上げて見ました。

 

 

偉人の伝記は面白い

 

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、知識の表面だけに限らず、知識の奥行きを試す問題が数多くありました。

例えば学校のテストのように、本の題名と作者を結び付けるような、単純な問題はなるべく避けていました。

小説の場合の例として「坊ちゃんの作者は?」答・夏目漱石、という単純な問題は有りません。

少なくとも、「坊ちゃん」を取り上げるなら、登場人物の性格、役職など、本を読んでいれば簡単に正解出来るよう、奥行きのある問題にしていました。

これが、学校のテストとクイズの違いであると我々は考えていました。

例えば、世界の偉人を問題にすることも多数ありましたが、これも偉人の業績だけでなく、経歴や人生観など知って得する面白い情報を探し、問題化しています。

第8回のインディアナポリスで、次のような問題がありました。

問・飛行機を発明したライト兄弟が営んでいた商売は何?

答・自転車屋

解説 空を飛ぶ飛行機の発明者が、自転車屋さんというのが面白い前歴ですね。

自転車で道路を走りながら、「もっと早く空を飛べたらなあ」と思ったかどうかは知りません。

ウィルバー(兄)とオーヴィル(弟)のライト兄弟は19世紀の末に自転車屋を営んでいました。

その当時、陸には蒸気機関車が走り、海や川では蒸気船が幅を利かせ、空には熱気球から派生した飛行船が存在していたのです。

ライト兄弟はエンジンで空を飛ぶ飛行機の研究を始め、ノースカロライナ州キティホークに移り住み、12馬力のエンジン搭載の飛行機で、人類初の空を飛んだのです。

「ライト兄弟」の画像検索結果

1,903年の事で、以来100年と少々で、世界中が航空網で結ばれ、地球の裏側へも短時間で移動できる時代になりました。

街の自転車屋さんが、何と飛行機の生みの親だった、この意外性が面白いですね。

偉人の伝記には、クイズ問題になりそうなエピソードがゴロゴロ転がっています。

知識欲の旺盛な方にとっては、小説より面白そうな話のタネが満載と言えるかも知れません。

正解を聞いて「面白い」「へー、そうなの」「知らなかったなあ」等々、興味の持てる話題が我々のクイズ問題の生命線だったのです。