アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、時代の歴史を感じられる問題が数多く見られます。
クイズ問題は、その時代に在った出来事を取り上げているので、当然世相が反映された問題が出てきます。
近年の日本の歴史では「バブル経済時代」という、お金がだぶつき、爆発的な景気の良い時代がありました。
不景気が続く現代から見ると、夢のように景気の良い時代で、高価な物品が飛ぶように売れていました。
1986年~1991年にかけての6年間の事でした。
狂気の時代と呼んでも良いくらいで、庶民が高いゴルフ会員権を買ったり、土地や建物に投資するなど、後に破産をする人が続出しました。
その様な時代に、世界を驚かす買い物をした日本人が居り、クイズ問題になっています。
第14回のニューヨーク決勝戦で、次のような問題が出されていました。
問・ゴッホの作品で、日本人が購入した史上最高値が付いている絵画のタイトルは?
答・医師ガッシュの肖像
解説 1990年の時点で、125億円で落札し、史上最高値と世界中の話題をさらいました。
落札したのは日本の著名な実業家、斎藤了英氏で、「ゴッホは良いよ。死んだら棺桶に入れてもらうつもりだ」と発言。
「文化遺産を冒瀆するつもりか!」と英仏の美術界から猛烈な非難を浴びるなど、騒動になりました。
後に「作品に対する愛情を表現した言葉のアヤ」との釈明で決着をしています。
狂乱物価のバブル時代を象徴するエピソードで、日本の歴史的出来事の一つと言えるかも知れません。
ゴッホ自身は、世界的な画家として数多くの作品が知られていますが、実は生前に売れた絵は「赤い葡萄畑」という作品の1枚だけだったという説もあります。
この高値の取引で、一番驚いているのはご本人かも知れませんね。