常識、非常識の分かれ道が勝負!

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、常識を超えた意外性が在りましたが、逆に常識の通りの問題もありました。

常識の通りの問題は、多分引掛けだろうと裏を読む挑戦者もいます。素直で無い人、素直な人、勝敗の分かれ道です。

そうした迷える問題は多いのですが、その典型的な問題が第9回のグアムで出されていました。

問・小麦粉は大麦からもできる。〇か✖か?

答・✖

解説 小麦から作るから「小麦粉」。大麦から作れば「大麦粉」なのは当然の常識ですね。

これをあえて問題にしたからには、きっと訳があるに違いない、と思うのが素直ではない人でしょう。

これが、勝敗の分かれ道になるのです。

「大麦」の画像検索結果

歴史的に見ると、大麦は世界で最も古くから栽培されていた作物の一つです。

理由は、小麦よりも低温や乾燥に強いため、小麦の栽培に困難な地方で多く栽培されていたのです。

古代エジプトでは、主食のパンを焼くために使われており、主食の中心的食材でした。

また、この時代からビールの原材料として知られていました。

日本でも、明治時代までは小麦よりも大麦の方が多く生産されていたそうです。

「大麦、パン」の画像検索結果

大麦粉はパンなどに加工され愛用されています。特に近年では、独特の味に加え、健康食としても人気があるようです。

また、終戦後、大麦粉を炒って「麦こがし」と呼びオヤツに食べた時代もありました。別名「香煎」とも呼ばれていましたね。

戦後の懐かしい時代を思い出す、年配者の方も多いと思います。

本日の裏話は、常識・非常識の分かれ道の問題で、戦後の懐かしい時代を思い出させるお話でした。

 

生活の中の盲点探し?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題を振り返ると、普段の生活で何気なく見落としている盲点を問う設問がありました。

日頃、街の中で道路を歩いていると、どこにでもあるマンホールの形は、円形と誰もが思っています。

中には、四角や六角、八角があっても面白いと思うのですが、そのようなマンホールは見た事がないと決めています。

即ち、普通の人は「マンホールは円形」との先入観があって、気にも留めていないのが普通です。

その辺が、常識の盲点になっているのでしょう。

第13回のグアムで、そのマンホールの型を問う問題がありました。

問・マンホールのふたは、円形でなくてもよい。〇か✖か?

答・〇

解説 マンホールのふたは、円形と四角、長方形などがあり、気を付けて観察すると街中で結構簡単に見る事が出来ます。

■ マンホール蓋 施工写真 1

この、マンホールには「公道用」「歩道用」など、場所によって異なる基準が設けられています。

例えば、公道の場合は大型車両、トレーラー、バスなどの重量に耐える強度が決まっています。

又、歩道用の場合は、それほどの強度を必要としないのは当然でしょうね。

但し、重量の規定もあり、簡単に取り外して持ち去る事が出来ない重さになっています。

中には、その街の特色を出したデザインのマンホールも各地に存在し、観光客の目を楽しませる役目をしています。

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昔は下水は道路にむき出しでした。

しかし、文明の進化に連れて、地中に埋めこまれ、その点検、水量の調節などのためにマンホールが登場したのです。

現代人は、どこの街の道路にも当たり前のように存在するマンホールに注目する人はあまりいません。

でも、些細な事に気を配るのがクイズに強い人の特徴です。

日頃、周囲を見渡すと、その中には「知れば面白そうな現象」が無数にあるはずです。

この問題も、クイズ作家が「マンホールは何のためにあるの?」と気になって調べたところ、上記の規定を発見したのでした。

本日の裏話は、誰も気にもしないマンホールに関する薀蓄でした。

 

 

変形なクイズ形式

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題は、易しい問題、難易度の高い問題など強弱を付けて出題されていました。

これはクイズに強い人、普通の人、全員が同時に問題に参加出来るのが目的の配慮だったのです。

しかし、時には問題の難易度など全く関係なく進行するクイズ形式があったので、本日はこの特殊な形式を振り返って見たいと思います。

第14回で訪れた南太平洋の楽園タヒチでの事でした。

「タヒチ島」の画像検索結果

第1次クイズが終了。挑戦者には次のクイズまで、南太平洋の絶景を楽しんで欲しいと告知されました。

喜んだ17名が、プールサイドや浜辺でのんびり楽しもうとくつろいだ瞬間、何やら不吉なチャイムが鳴り響いたのです。

「只今よりクイズを行います。早押し機のセットされた浜辺に集合、早い順に並んでお待ちください」

そうと成ったら一番乗り、とばかり脱兎のごとく走り出した挑戦者。彼らに告げられたのは「奇襲! ゲリラになった私」との厳しい形式。

ルールは単純明快。最初に並んだ2人が1対1のクイズで勝負、勝者はそのまま明日の午後まで自由行動が許されたのです。

次のアメリカ大陸上陸が約束され、最高の気分で、タヒチの夜を過ごせるのでした。

一方、最初の敗者はゲリラに変身、どこでも好きな場所で対戦相手を選び勝負を仕掛ける事が出来るのです。

となれば、自分より強い相手は避け、勝てると思う相手を探すのが当然の心理でしょう。

選ばれた相手は「俺をなめてるな!」と腹を立て返り討ちを狙うはずです。選んだ方も「申し訳ない」と内心謝りながらの対戦です。

視聴者は、お互いの気持ちが予想出来るので、これまた楽しみが増えるという3つの愉しみが出来る形式でした。

また、強い挑戦者にはクイズのチャンスが回って来ません。イライラ、ドキドキ、溜まるのはストレスばかり。

この底意地の悪い形式を考えるとは、ウルトラのスタフは根性が悪い集団なのですね。

それを喜んだ視聴者の皆さんも同類でした。

本日の結論! ウルトラ・クイズとはそうした番組だったのです。