名作映画の歴史を振り返る

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には「映画」の枠がありました。

映画ファンは多いので、国内、洋画などを含め名作と呼ばれた作品のキャスト、監督、映画賞などの問題が多かったです。

古い作品から新作まで、幅広く映画を観た人が関連の知識は豊富で、有利になるのは当然です。

日本映画の中で、数多く映画化された文学作品に関する、典型的な問題があったのでご紹介しましょう。

第5回のアカプルコで、作品の主演女優から映画の題名を問う問題がありました。

問・田中絹代、美空ひばり、鰐淵晴子、吉永小百合、内藤洋子、山口百恵。この六人が主演した共通の映画は?

答・伊豆の踊子

解説 この作品は日本を代表するノーベル賞作家、川端康成の自伝とも言える名作で、読んだ方も多い事でしょう。

それだけに、その時代を代表するトップ女優が主演し、各映画会社が競って映画化しました。

因みに最初の映画化は、松竹で昭和八年。田中絹代さんは伝説的な女優なので、名前はご存知の方も多いでしょう。

しかし、当時映画を観た方は少ないと思うので詳しくは割愛。

戦後の第一作は昭和二十九年。当時の人気スター、美空ひばりで相手役は学生スターだった若き日の石浜朗さん。

監督は野村芳太郎、この作品以下はご覧になった人も多いと思いますが、いずれも時代を代表する人気女優ばかりでした。

共演者は当時の人気スター、監督もヒット作品の多い巨匠と呼ばれる人達が担当しています。

最後の作品は山口百恵さんと三浦友和さんで、二人は結婚し百恵さんは人気絶頂の時に芸能界を引退してしまいました。

熱烈なファンの復帰の声も大きいのですが、残念ながら願いはかなえられていません。

それだけに、伝説のスターとして永く日本の芸能史に残る事でしょう。

名作「伊豆の踊子」は映画では六作品創られ、日本の映画史に足跡を残しています。

本日の裏話は、映画化された文学作品に関するお話でした。

現在も、現役で活躍中の関係者も多い作品だけに、ご覧になった方は、久々に当時を思い起こす事でしょう。

 

番組の中の落とし穴とは?

アメリカ横断ウルトラ・クイズの問題の中には、世の中の8割~9割の方が正解出来る超易しい問題がありました。

こうした問題は、特別な時に出題される場合が多く、番組の名物である「落とし穴」と呼ばれていました。

具体的な例を説明しましょう。

第6回の羽田空港、ジャンケン・クイズの時に使われた「落とし穴」です。

ジャンケンで3回勝てば、文句なく航空券を獲得。飛行機に乗れるのがウルトラ・クイズの売り物でした。

処が、「落とし穴」には悪魔の企みが潜んでいたのです。即ち、勝者は超簡単なクイズに正解しなければなりません。

若し、そんな易しい問題を誤答する人間には罰として、勝者の権利を敗者に譲るというものです。

その超簡単な問題とは?

問・映画「男はつらいよ」の主人公 ”フーテンの寅さん”の本名は?

答・車寅次郎

解説 フーテンの寅さんは、老若男女問わず日本人の誰からも愛された人物で、本名を知らない人は罰ゲーム行となった訳です。

ウルトラ・クイズの合い言葉は、知力、体力、時の運。

物知りで知力があり、健康で体力があっても、運が無いと勝者になれないのが特徴の番組だったのです。

「そんなの、クイズ番組としてアンフェアだ」との意見もあるでしょう。

でも、我々は単なるクイズ番組とは考えず、視聴者が楽しめるクイズ・ドキュメンタリー番組として制作していました。

従って、敗者には過酷な罰ゲームをプレゼント。貰ったご当人は四苦八苦、それを見た視聴者は大笑いです。

そのような「落とし穴」を毎日考えるとは、悪魔のようなスタッフですね。

でも、多くのライバルを倒し、クイズ王になった勝者には、素晴らしい賞品を用意したのです。

それが又、アッ!と驚くようなオチがあるとは……。

やっぱり、悪魔のようなスタッフでした。

今だから話せる裏話、本日は超易しいクイズ問題の陰には、必ず「落とし穴」が仕掛けてあるとのお話でした。

テレビが大衆娯楽の王様だった昭和時代は、こんな企画に大金を掛けるテレビ局があったという自由な時代でした、懐かしい。